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35th JAL HONOLULU MARATHON

勝負の日です。
タイムなんて二の次です。
狙うは一つ、日本に帰国することです。

テーマは『着替えてサブスリー』。
走って3時間を切るのは最低条件です。

2時起床。
朝早いとか、そんな次元じゃない。まだ夜だし。
外を見ると…
雨…
マジか…
しかもこれ結構強いぞ…

ヤベェな…と思ってても仕方が無いので、朝食。ツチンダならぬツチダが寮からパクって来たブランチ(パン、ベーグル)などをいただく。これが毎日…よく太らんなぁ。と改めて感心した。
これだけじゃ足りねぇ。米だ!ってことで、スーパーで買っておいたご飯(レンジでチンするやつ)を食べる。これは高かった。日本で買うときの2倍くらいのお値段。誰も2杯目に突入しなかったので私が頂く。
山ほど胃に詰め込んで3時10分くらいにホテルを出る。カードキーはちゃんとゼッケンの裏に貼り付けてあります。
ついでに言うと、右脇腹にはマクドナルドで取ってきた塩をビニール袋に入れたものを、腰にはAmino-Valueの顆粒を貼り付け、手にはチューブ状の食べ物を持っていました。
何を隠そう、枯渇することに対して異常にビビってたんです。
備えあれば憂いなしって言うじゃないですか。

ホテルを出る時には雨は上がっていた。よし!
まずは、有ヨ神様のお部屋へ。
ツチダが帰ってくる頃には、私たちはホテルにおりません。だから、荷物を先生のお部屋で預かっていただくことにしたのです。

走ってアラモアナセンターの方へ。スタート地点は既に人がたくさん。
しかし、こんなにいっぱいいても偶然知り合いに会うということは有り得るものです。ヨシイさんや、マシコさんにお会いしました。遭遇ってのはテンション上がりますな。

4時頃にスタート最前列にたどり着く。
ホノルルは自分が目指すタイムに応じて、大体この辺りが4時間~5時間とか、3時間以内とかっていう形で自己申告的にスタート位置を決めることが出来る。
なので、早めに行かないと前の方に行けないということです。

後はスタートを待つだけ。周りの人とか観察したり。結構大学生がいるんですな。私の故郷の国立大学とかKO大学とか見かけました。
ポツと水滴が落ちてきた。
まさか…
と思っていたら、水滴は瞬く間にシャワーのように変化した。
私は、カッパを持って来なかったので、カッパを着たfukuiの足元に隠れてやり過ごす。
と言っても結構濡れてしまった。
サブスリーやばいかもしれない気分60%。

スタートが近づいてきた。
そろそろ周りの人たちが身に着けているカッパをコースの外に出し始めた。
そんな時、また…
ポツ、ポツ、ポツポツ、ザー…
もう隠れるところがありません。
降られるがまま。
寒い…
サブスリーやばいかもしれない気分80%。
まだ走ってないのに、真夏の練習後くらいビチャビチャになっていました。

いよいよスタート直前。
待っている間に、持ってきた食料を食べようと思ったけど、胃もたれがして食べる気がしなかった。1コfukuiに上げて、2コは手に持ち、残りは捨てることにした。勿体ねぇ。

4時50分、車イスの部がスタート。手だけで42.195km…スゴイわぁ。
車イスの部がスタートし終わってから、スタートラインに誘導される。

そして、5時。
夜空に上がる花火と共に、ホノルルマラソンがスタートした。

スタートの号砲と共に飛び出した。
レースというとどうしても突っ込みそうになりますが、気持ちを落ち着けてペースを落とす。
1km通過は3'31"
全然落ち着いてねぇ…
ま、最初は後ろから押される可能性があったので仕方が無いということにしておきましょう。
この時点で、yskは50mほど前を走っており、fukuiと私は併走しておりました。

「よっちゃんさん速いですね。」
「やっぱ違うね。」
みたいに、喋る余裕があるんですな。マラソンってやつは。
心肺の苦しさは終始感じることは無かった。
と言うと言い過ぎだが、ほとんど感じてないくらいじゃないと走り切れないだろうとは思います。

レース前にも、レース中にもfukuiと「一緒に走ろう」と申し合わせたわけでもないけど、ビビリーズな我々は2人の集団を形成し続けました。

スタートしてから西側に走り、街をぐるーっと回ってきたら再びアラモアナの辺りに出る。その辺で大体5km。
距離表示は主にマイル(1Mile≒1.6km)で、キロ表示は5kmごと。
私は距離を何回も見るのが嫌いなので、個人的には都合が良かった。

ペース感覚に若干不安があったものの、2人で走ることにより修正が利きやすく、それによって不安は解消された。

そんで、その5km地点くらいで再び雨に見舞われる…
勘弁してくれ…

でも、沿道から送られる応援はそんな気分も吹き飛ばしてくれます。
「Looking Good!」
「Good Job!」
応援って本当に助かるなぁって思う。
日本の「ガンバレ!」とは聞こえ方こそ違うけど、持っている意味は同じです。

カピオラニ公園あたりで10km地点を通過。結局ラップを取ったのはココだけでした。10km = 38'04"。思ってたより快調に行けている。

公園を抜けたところでダイヤモンド・ヘッドの上り坂が待ち受けていた。
まだ元気なので、無駄な体力を消費しないように省エネ走行。ペースが落ちても気にしない。

一旦上ったら、もちろん下りがあるわけで。
相変わらず下りの速いyskに、この辺で差をつけられる。

フリーウェイに上がる前までは、fukui以外の人も、入れ替わり立ち代りながら一緒に併走してました。
そのほとんどが日本人でした。他のアミノバリューランニングクラブの方もいました。
印象的だったのは背中にテーピングを張り巡らせた男性。この方は日本人じゃなかったですね。

フリーウェイに入ると、高速道路なので民家が無い。つまり、応援が減ります。さらに、カーブが少ないので前が見える。なが~い直線です。

基本的に我々2人は一定ペースなので、落ちてくる人を抜かしていくばかり。
途中、調子が上がってきてペース上げ気味になってしまったのですが、そこは2人の利点が働きました。
「先に行くなら行っても良いですよ。」
「いや、行かない。」
守りの走りです。

フリーウェイの途中で、ハーフ通過。ちょうどそこを通る時に女性の引っ張りをしている男性がいて、「1'21"40!このままで良いよ!」と言っていたのを記憶しています。

ハワイカイをぐるりと周って折り返し。
ここからフリーウェイの終わりまで、これからハワイカイに向かうランナーと対面する形になります。
気を紛らわせるために、対面する人の中に「知り合いはいないかな~?」とじーっと集団を見る。
あ、ちょっと気持ち悪い…
人酔いだ…
2万数千人の大部分とすれ違う光景は中々味わえるもんじゃないよなぁ。圧巻でした。人が人ではなく何かのうねりのようにすら感じられます。

そんな状況の中、yskに追い付く。
fukuiと私は遠く離れていた時に、「ラスト100mあればかわせるから、追いつかない程度で走ろう。」と決めていたのですが、案外早く追いつきました。
一人ぼっちになっていたことがペースダウンの原因の模様。一人はきついわ。

30km地点の前後で有ヨ神様と遭遇。
手を振ってくださいました。
さようなら先生、次にお会いするのは日本ですね。

続け様にツチダにも遭遇。
これまた日本で!
(だいぶ先のお話になってしまうけども…)

気を紛らわしながら走ることにも限界を感じ始め、応援してくれる人に対するリアクションもややテンション落ち気味になってきた。
気がつけば30kmを過ぎ、いわゆる未体験ゾーンに突入していた。
fukuiがちょっと前から黙っているのが気になる。おそらくしんどいんじゃろう。
それはyskも同じだったみたいでした。この後徐々に離れていき、再びfukuiと2人旅。

フリーウェイの終わりが見えてきた。
出たところが22マイル。大体35km。壁は既に立ちはだかっていた。
私がやばくなってきたところで、fukuiが元気を取り戻してきた。

高級住宅街を駆け抜け、再びダイヤモンド・ヘッドに立ち向かう時がやって来た。
坂になったところでぐっと力を入れたら、右の内転筋がビクンッと反応し、つりそうになった。が、大事には至らず、トロトロと坂を上る。
感覚的には5ペーじゃけど、そんなんでも何人かかわした。つまり、ぐでんぐでんな私よりもさらにぐでんぐでんぐでんになっているということです。

坂を上り終わったところ、左手には視界いっぱいに海が広がっていました。
あー、こりゃスゲーわ。気持ちリフレッシュされました。あくまで気持ちです。
脚は既に半分使い物になっていません。
平常時でさえ地を這うような走りなのに、今や地を嘗め回すような走りです。

惰性で坂を下り、途中でやたらテンション高く応援してくれたキッズに同調し、吠えてみる。まだ自分が元気であることを確認する。

下り終わると、公園が見えた。
あと1kmの表示。
あとちょっとだ!

アメミヤ先生が見えた。
「日本に帰れます!」

ラストの直線。これが長いんですわ。走っても走ってもFINISHが近づいて来ない。
でも、ラストはラスト。長い旅もやっと終わりです。
fukuiとどうやってゴールするかを相談する。

あと、20m…10m…5m…
手を高々と上げてゴール!
続け様に「そんなの関係ねぇ!」
タイムは2時間43分15秒。正式結果はまだ出ていませんが総合22位でした。

ゴールして休む間も無く、ホテルに向かう。
現地のTVのリポーターが話しかけてきたが、「2時間後飛行機に乗るんですよ。」とfukuiが言い、軽くあしらう。

一度止まったら足がダメだということを再確認させられる。一歩一歩に鈍痛を感じざるを得ない…

ホテルに到着。すばやくシャワーを浴びる。擦れたところに沁みる。
着替えて時計に目をやると、
8時ジャスト
『着替えてサブスリー』達成です。

あとはyskとマキハラ。
中々帰ってこない…
おかしいyskとはそんなに離れていないはずなのに…
8時5分頃、ysk帰着。手にはフィニッシャーTシャツが。ちゃっかり取りに行ってやがった。そんなことは全く頭になかった。余裕度の違いだな。
8時10分頃、マキハラ帰着。手にはフィニッシャーTシャツが。何ぃ!?お前もか!と今では思えるが、その時は「4人で日本に帰れる!」しか頭に無かった。

8時20分、昨晩予約しておいたタクシーに乗り、一路空港へ。

8時45分、空港着。搭乗手続きをしてゲートの中へ。
ボディッチェックのところで、yskがフィニッシャーTシャツを着て、貝殻のネックレスをしていたので空港の職員に「ホノルルマラソンを走って来たの?」みたいな事を聞かれたらしい。
イエス。私たちは走ってまいりました。
向こうのリアクション=「Amazing!!」
ですよねぇ。誰もこんなバカなことする人いませんよ。

落ち着いたところで、無事に到着したことを先生方に伝えようと思い、公衆電話へ。
これにやたら時間をとられた上に、金も結構持っていかれた。
最終的に、yskがホテルにメッセージを残すことが出来た。のかどうか分からないけど、まぁ、便りが無いのは元気な証拠ということでオッケーということにする。(後日、伝わっていたことが分かった)

そして、10時15分、飛行機がハワイの地を離陸しました。
実に、ホノルルマラソンがスタートしてから5時間15分しか経っていない、嘘のような本当の話。
ここに新たな伝説が誕生しました。と勝手に言ってみる。

長いようで短かったホノルル旅行もこれで終わり。
貴重な体験でした。
そして、一生もののネタを作ることが出来ました。

こんな無茶苦茶な旅でも、文句を言わず、いや、文句を言いながらも完遂してくれたysk、fukui、マキハラに感謝いたします。
ありがとうございました。

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